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クリニックブログ

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帯状疱疹について

2024年2月22日

岐阜市、各務原市から近い岐南町の皮膚科専門医による皮膚科、美容皮膚科のぎなん皮ふ科クリニック

看護師の黒木です♥︎

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✦帯状疱疹とは✦

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帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが引き起こす皮膚の病気です。いわゆる「水ぼうそう」にかかった後、水痘・帯状疱疹ウイルスが私たちの脊髄や脳神経(三叉神経)などの神経に潜んでじっとしています。

そして、体の免疫力(抵抗力)が低下したとき、神経に潜んでいたウイルスが暴れだします(これを「再活性化」といいます)。 再活性化したウイルスは、脊髄や脳神経から左右いずれか一方の痛みなど感覚を伝える知覚神経に沿って進展します。

このとき、皮膚や末梢神経が障害されるため、体の片側に帯状に小さな水ぶくれなどの皮膚症状や神経痛が生じます。

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✦症状✦

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顔面、体幹、四肢など体の左右いずれかの片側に帯状に小さな水疱などの皮膚症状が生じます。

このとき、皮膚症状のある部位に痛みを伴うことが多いです。皮膚症状と痛みが同時に出現すれば帯状疱疹と気づくことができますが、中には皮膚の症状が全くなく痛みだけが先行することがあります。 皮膚症状のほかに発熱(ひどいときは39度以上出ることもあります)、肝臓・腎臓など臓器障害、頭痛・神経痛など様々な全身症状がみられます。

これらの全身症状のうち、神経痛を生じる頻度が高く、皮膚症状が治った後でも長期間痛みが続くことがあり注意が必要です。 .

✦診断✦

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小さな水疱が帯状に分布している皮膚症状がみられれば帯状疱疹と診断されます。

皮膚症状だけで診断が困難な場合、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した表皮角化細胞の有無を調べるツァンク試験や水痘・帯状疱疹ウイルス抗原検査薬を用いた検査が行われます。

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✦治療法✦

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♛バラシクロビル

♛ファムシクロビル

♛アメナビル

など抗ウイルス薬の内服

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♛アシクロビル

♛ビダラビン

などの抗ウイルス薬の点滴による治療が行われます。 帯状疱疹関連痛は、侵害受容性疼痛、神経因性疼痛、心因性疼痛の3つの疼痛が様々な割合で合わさったものと考えられています。

侵害受容性疼痛は、ウイルスが神経を進展していく過程で炎症により神経が障害されて生じる痛みであり、急性期に生じる痛みに占める割合が高いと考えられています。

この侵害受容性疼痛に対する治療では、非ステロイド性抗炎症薬の内服が有効です。 . 神経因性疼痛は、急性期を過ぎても残る痛みに占める割合が高いと考えられています。

帯状疱疹後神経痛といわれていた痛みの多くが神経因性疼痛と考えられます。

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帯状疱疹に伴う痛みとして、心因性疼痛があります。

同じ痛みであっても心理的に痛みを強く感じてしまう可能性があります。

患部を温めて血行を良くすることも有効とされますので、お風呂で体を温め気分をリラックスさせることも良いかもしれません。

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気になられる方は、診察へお越し下さい。